Fujin Tree 355
TOTAL FLOOR: 32P (106.5m²) PRINCIPAL USE: SHOP
COMPLETION DATE: 2012.5-2012.7 SITE: TAIPEI CITY
DESIGNER: SHIHCHIEH JENG
民生社區富錦街為台北市區難能可貴的綠意街道,街道兩排蓊鬱參天的路樹、公園的植栽、老美式社區的建築立面,以及創意人開設的店家,傳達一種清新舒適的生活風情。「Fujin Tree 355」店長因基於對大自然的喜愛與生活品質的堅持,故選擇將此選品店坐落於此,更邀請鄭士傑設計師參與室內空間設計,旨將空間與當地綠意、社區人文共存,同時活化商業空間,將「家」的溫度帶入,使整體氣氛充滿生活暖意。
鄭士傑以自然作為設計發想的出發點,企圖將街道的大自然引入室內,採用淺色、木質調、植物等肌理,加上樹枝意象交錯,醞釀出裡外一致天然純淨氛圍。植栽由人行道延伸至前院花台到室內,加上金屬、木質素材等擬態樹枝的裝修物件,於虛實變化的布局,紛呈富有層次且活潑的視覺張力。同時,讓戶外的陽光穿透天然樹枝與金屬擬態樹枝線條結構,形成光影玩趣,致使「Fujin Tree 355」從上午到午後,不同時間,創造不同的空間表情。
此外,鄭士傑在空間裡加入大量鐵件的工業風元素,如黑鐵立招、擬態樹木的遮陽支架、可以隨目的改變表情的落地折門,還有大面落地的金屬框穿衣鏡,以及錏板彎曲的陳列架等。但「Fujin Tree 355」是旨在打造以女性為主的空間,故他巧妙地於粗獷的框架中藏有優雅的細節:落地窗、大面穿衣鏡的鐵框內緣以弧角呈現,柔和原本剛毅俐落的設計。室外遮陽支架從上而下由粗收細,與周圍擺放的鐵桌椅腳線條,融合成細緻交錯的線條光影。鐵外框的陳列櫥窗,特以圓弧的玻璃呈現,製造觀看者空間變化的玩趣。此外,更善加使用不同的金屬件,打造出陰性質地美學,如空間後方大片圓弧陳列架,採用有玫瑰紋路的錏版,更以柔軟弧狀呈現,展現細緻柔美的女性特質。
而關於室內空間,鄭士傑將前身原為幼稚園的隔間全都打掉,創造出通透的LOFT空間,並且善用燈光與顏色元素,區隔出不同的空間功能。室內地面分為水泥及木質表情,木地板區是採鐵軌拼接意象,並以不銹鋼邊條和水泥地板作收尾,突顯出居家主題的客廳生活空間。而與地面呼應的天花板與壁面,用顏色區分出結構的線及面,應造空間的穿透性。此外,壁面為原始舊紅磚刷白漆,展現樸舊感,與選用的日本品牌Journal Standard Furniture家具與二手家飾品相呼應;而整體家具陳列,也在櫃台部分做一個鮮明的蔚藍跳色,展現視覺活潑性。室內燈光部分,則特別用攝影燈打光,創造商品的戲劇舞台效果,左側壁面更搭配一個全天候的投影式視覺,除可以創造室內氣氛,打造品牌形象外,於寧靜的富錦街夜晚,更可吸引路人目光,創造集客力。
「Fujin Tree 355」空間還有許多令人驚豔的創意之處,源自於設計師鄭士傑喜跳脫空間概念的基礎框架,不制式,總能玩出許多極具實驗性的創舉。鄭士傑表示:「我不喜歡總作一樣的設計,每一個案子我都要有特別的新嘗試。況且每個空間本來有自己獨特的性質,必須要展現其魅力。 」由於考量此案中有許多設計皆是第一次嘗試,他幾乎每天到場監工,並根據現場狀況及時修正,為此達到心目中理想的變化結果。「好的作品是從頭到尾皆需要細心呵護」鄭士傑由衷的表示,即使是商業空間,他仍舊堅持琢磨細節,讓整體空間更為細緻,歷久彌新,故一般商業空間大約一個月半就可以完成,此空間卻整整花去四個月的整修裝潢時間。
關於鄭士傑於「Fujin Tree 355」的空間創意,其中充滿雕刻感的裸牆與柱,看似自然無修飾,其實是在拆除初期,即由他指導工程人員細心雕塑而成,使空間具有工業感及歷時性。而往地下室的樓梯手把採用黑鐵素材,特別於使用前先灑水,使之自然鏽化,再上一層保護漆,創造仿舊質感。此外,有別於一般樓梯向下彎式的把手設計,此次特別以上彎式呈現造型特殊性,藉此創造有趣的視覺顛覆,呈現空間的幽默感。此外,空間後方一坪半左右的廁所,因挑高二米半高度,故顯得空曠,設計師特採用「空間家具化」的方式,將洗手台用美彎板打造成圓筒獨立體,加上木製鑲鏡的隔板,創造空間的戲劇舞台美學。
355 is located in Minsheng Community, a neighborhood that is embroidered with refreshing greens. The green environment creates a pleasant and cozy atmosphere. It was because of her love towards nature and high living standard that made the owner of "Fujin Tree 355" decided to locate her select shop here. The aspiration of the interior design team is to create a blend that generates emotional stability and promote unity and peace within the environment.
Our design introduced natural elements to interior. We sought to achieve a state of purity by employing light color tones, wooden texture and images of tree branches. Metal and wooden decorative branches together reflect the trees lining along the street. The ornaments merge into the environment, presenting a vibrant tension with multiple visual layers. During the day, sunshine would filter through the interlaced structure of natural and artificial branches, and enables 355 to have multiple emotional expressions.
355 targets modern female customers primarily. Artistic and elegant details could be seen everywhere. For instance, French doors and inner moldings of the dressing mirror are applied with round corners. The design also includes many metal components, such as the black iron standing sign, the shade roof, the foldable French door, the metal frames of the mirrors, and the display shelves made of curved galvanized sheets(SECC). The combination of iron frame and circular curved glass in the display window offer an interesting contradiction. By applying various metal pieces sophisticatedly, we attempted to bring out feminine aesthetics.
Colors and lightings are carefully designed to divide the whole space into sections. The concrete part of the floor is framed by stainless steel, and the other part of the floor is composed by wood planks. The lines and planes of the ceiling and wall structure are distinguished by colors. The old red brick wall covered with white paint has the antique look that corresponds perfectly with the selected furniture.
Stunning creations could be spotted in every corner. For instance, to give the space an industrial style and a tinge of history, the early stage of deconstruction is carefully instructed. The black iron stair railings were intentionally rusted by spraying water, and protected by a layer of coating. “I don’t stick to a certain design pattern. Each case has its own uniqueness, and I must always find the best solution to surface the true nature of the space,” said Jeng.
緑豊かな街道が特徴的な富錦街は、民生エリアに位置する。道の両側に生い茂る街路樹、溢れる草花や建物の古きアメリカンスタイルの正面外観、創意あふれるユニークな店などが醸し出すこのエリアは、台北ではめずらしい独特な雰囲気を醸し出している。「Fugin Tree 355」のオーナーは自然豊かなライフスタイルの提唱のため、セレクトショップの立ち上げにこの地を選んだ。この物件にて鄭は、過度な装飾を排除に、空間そのものの持ち味を発揮させ、緑豊かなコミュニティーと共存できる商店建築を目指した。閑静な住宅地というロケーションを考慮し、「家」の温度を感じられるような、温もり溢れる生活の風情が生み出されたのである。
鄭はまずナチュラルな和風スタイルをデザインの起点とし設計を開始した。街道の自然を室内へと引き込み、淡色や木目調、そして植物の質感を利用した。また樹木のイメージを設計に取り込むことにより、室内外が自然と一体化したデザインを目指したのである。歩道から庭園、店内に至るまでつながりをもった演出がされ、外部には植物が配置され、店内には金属と木材を用いて樹木・枝の形をした装飾品が作られた。現実から装飾品へと、層となった変化により空間に躍動感が生まれ、陽射しが入り込むことによる植物と擬似植物の織りなす有機的なライン、その陰影が豊かな表情を作り出し、朝、夜と時の移り変わりとともに「FujinTree 355」の空間を独特なものとしている。
内部装飾においては、多種多様な金属が使用された。黒スチール製の立て看板、有機的なシルエットを持つサンシェード、支柱トタン板を曲げることにより造られたパイプハンガーに加え、開閉自在のバイフォールド・ドア、大型のスタンドミラーにも金属フレームが用いられた。多様な金属マテリアルによる装飾の数々はインダストリアルな印象を彷彿させるが、同時に女性的な空間とするため、一見素っ気ないフレームにおいても曲線を用いることで優雅さと柔和さを加味することに成功した。室外に備えられたサンシェードの支柱においても、下方に行くほど細身となる形状により、スチール製のテーブルや椅子にそのシルエットを馴染ませ、互いに交錯し合う有機的なラインとなり、空間の持つ表情に一層深みを増している。スチール製のフレームよって縁取られたウィンドウディスプレイも、弧を描くことにより空間にリズムを与えた。多種の金属装飾は空間に豊かな質感をもたらし、同時に花柄や曲線形を用いるなど、柔らかな輪郭を持つ女性的な柔和さが緻密に組み立てられたのである。
内部空間の壁は全て取り壊し、見通しの良いロフト空間を作り上げ、照明と色彩により空間を機能別に区分けしている。フロアはコンクリートエリア及びウッドエリアの二領域に区別され、ウッドエリアには鉄のレールを用い、コンクリートエリアにはステンレスを用いた。またエリアにより天井及び壁面においても、線と面の無駄をそぎ落とした設計により、全体として「家」のリビングルームのような居心地のよい生活空間としてまとめ上げている。フロアに応じ、天井と壁面には異なる色彩により線及び面が区分けられ、赤煉瓦の白ペンキ仕上げにより、ビンテージテイストがプラス、Journal Standard家具や中古雑貨を用いてまとめあげることで、より一層の奥行きを生み出している。
カウンターの鮮やかなセルリアンブルーは、この空間にとって力強いアクセントとなった。撮影用照明を用いること商品ディスプレイにドラマティックな雰囲気を演出した。左方の壁面のスクリーンには、終日映像が投影され、道行く人をいざなう優しい光を放つことで、穏やかな富錦街の街を鮮やかに彩っている。
「Fujin Tree 355」の空間デザインにはあらゆるところに斬新なアイディアが盛り込まれている。 「私はデザインがマンネリ化しないよう、どの設計案もそれに応じ新たな挑戦を試みています。空間とはそれ自体に固有の特性を持っていますからその魅力を引き出すことが大切だと思っているからです。」という鄭の既成概念に捕われない自由な発想は、デザインに独自の実験的要素を注ぎ込んでいった。
「Fujin Tree 355」で際立っている彫刻的ともいえるむき出しの壁や柱は、一見まるで手の加えられていないありのままの姿かのように思える。だが実際は、デザイナーの緻密な指示のもと、職人達が細心の注意を払い造り上げたものであり、工業的デザインを追求すると同時に固有のヒストリーが空間に埋め込まれたのだ。地下へと向かう階段の手すりは鋼鉄によるものであるが、あらかじめ水で濡らし置いておくことで錆び付かせ、その上に一層の途膜を施すことでビンテージの色合い出している。さらに一般的な形状を排除しあえて上方から曲げてゆくことで独特かつユーモラスな視覚効果を造り上げた。化粧室も天井を2メートル50センチと高くとることで、わずか一坪の空間に広がりを確保している。「空間家具化」という手法を採用し、洗面台はベニヤ板を用いて円筒型へと造り上げ独立させ、またミラーワークが施された木製のパーティションにより仕切ることで舞台のようなドラマチックな空間を実現した。
鄭の新たな試みを具体化するための施工にも高い要求がされ、デザイナーと現場との意思疎通は欠かせないものとなった。現場の状況により調整を施してゆくことで理想通りの作品へと仕上げることができた。
「良い作品というものは一貫した細心の注意を払いながら、デザイナーと現場のコミュニケーションにより完成させるものです。」と言う通り、細部に渡るまで磨き上げられたデザイン性を要求し、1ヶ月から1ヶ月半が完成の目安となる一般的な商業空間とは違い、4ヶ月もの期間をかけて、日々丹念に造り上げられた。結果、以前幼稚園として使用されていたこの場所は、繊細で色あせることのない商業空間として生まれ変わったのであった。
攝影photography / Ivan
文字article
中文/ Gem Cheng
English/ Lin, Hsuan-Hui